学園世界のイロジカル
「早く行きましょう、ナミを下ろしましょう!」




「そうはさせません」




…え?



この、声って…




「なんで菊が…!」




後ろを振り向くと、10m先ぐらいに菊が。



なんで、柊の壁は…!?




「この方がどうなってもいいんですか」




菊の後ろに…誰かいる。


菊はそっとその人物を、前に押し出した。



…その人は、ボロボロの…





「……龍矢…!」



柊の、心の奥から響くような声が届いたのか、龍矢がそっとうなずく。



そして…確かに、口を動かしてる。



なんて言ってる…?




何回も何回も、同じ言葉を言ってるみたいで。


同じ口の動きをしている。



…そして3回目で私はやっと分かった。




「…ナミを、選べ…?」




こくり、龍矢がうなずいた。




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