学園世界のイロジカル
「…行きましょうか」



…さっきまでなら、私も笑いながら、「嫌だ、もっと見てこーよー!」とわがままいって、零を無理矢理探索に連れて行かせていた。



けど…



なんか、零は悲しそうで。




その冷たい色違いの2つの瞳の奥に隠されているのは…一体何なんだろう。





黙って2人歩く帰り道。




1m下がりながら着いていく。







何か、話さなきゃ…



そう思っているのに、口が動かない。話題も見つからない。



ただ無言で歩いて、
あっという間に家に着いて。




「じゃーね、零!」




「…はい」






明日の事とか、たくさん話し合いたかったのに。



むなしくも、零の扉は…パタン、と音を立てて閉まってしまった。







「…教えてやろうか?」






突然後ろから聞こえたその声に。


私は静かに振り返った。




「会長さん…!」



ダークブラウンのサラッサラな髪。


ちっさい顔に、きれいな目。




零に負けないイケメンさんこと…会長さん。







野口、終…




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