学園世界のイロジカル
「久しぶり。


どうだ、慣れたか?この世界は」





……




「いや、慣れるとでもお思いで?」




「いやー、俺は1日で慣れたけど」




「…待って、私ももしかして慣れてきてるかも」





だってさ、もうこの世界に溶け込んできたよ?私…




思い返せば、ごっつい鎧を着た兵士さんたちを見ても「おー!」としか思わなかったし?





「慣れてきてる証拠だよ、その顔は」




会長さんは、指を真っ直ぐ私に向ける。



顔…だけで、そんなこと分かるもん?




「分かる。

昨日、お前と少し話した時とは明らかに違う。


もう、表情が自然だ」





自然、って。


なんか…ちょっと悔しいかも。慣れてきたことに。



なんでか分からないけど、ちょっと悔しい!



そんな私を見て少しニヤついている会長さんにムッと来たりもする…!




「んで、会長さんが何の用です?

『教えてやろーか』とか言ってましたけど…何をですか?」




「ああ…それはもちろん、

君の隣人…零のことだよ」







会長さんは、もう1度ニヤりと笑った。







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