学園世界のイロジカル
操り人形って…上から糸がつながってる、みたいな?




…クマを糸でつなぐことはできないと思うけどなぁ。





「まあ動きが鈍い魔物の可能性もありますが」



「きっとそうだよねー…って、ん?


………っ、静かに…!」






先頭を歩いていたシロさんが、後ろを振り向いて人さし指を口の前にやった。




急に緊張しちゃって、私は息まで止めてしまう。



う…リラックスリラックス。



でも…これで6回目だっていうのに、まだ慣れないなぁ…




…って、確かに奥の茂みからゴソゴソ聞こえる…!




明らかに何かいる。



…野うさぎとかだったら嬉しいけど、残念ながらゴソゴソという音と一緒にドン…ドン…なんていう地響きみたいなのも聞こえてくるんだなこりゃ。




確定だ、これ…!





「来るよ!」



シロさんが叫んだのと同時に、



奥の茂みから、二足歩行のどでかいクマが現れた…!




けど、このクマ…牙が、でかい…!?



セイウチレベルに大きくて長くて太い!!




あんなのに刺されたら…想像するだけで痛い。





「メガネちゃん!攻撃力増加魔法を僕と椿ちゃんに!

それといざという時…牙が当たりそうだったら魔力をたくさん使ってもいいから!」




「はい!」




メガネ先輩は補助が目的。



攻撃もできるけど、攻撃のしすぎで魔力…まあ簡単に言えば体力から生成される魔法を出すための力みたいなものらしいんだけど、その魔力が減ると使える魔法も限りが出てくるらしく。



逃げる時にも魔法が必要だったりするし、魔力消費が大きい攻撃魔法はそんなにしない方がいいのだとか…





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