学園世界のイロジカル
「よっ、よっと!…左腕負傷、多分そんなに動かないはず!」




「分かりました…私はクマの力を奪ってみます!」





手にぎゅっと力を入れて…ちょっと一旦離れ、集中する。



魔物は普通目の前の敵を見るから、今はシロさんがひきつけてくれるはず…




…って、




「なんでこっち見てるの〜!?」




「椿ちゃん、逃げて!」




ギラリ、と光った気がしたクマの目は私をとらえ、手をブン!とふってきた。




危ない、危ない…!



そのまま高く飛躍し、クマの頭上を通って後ろへいく。




トン、と着地をする…うん、さすがにここはクマちゃんにも分からないだろうし…




…って、あれ?なんか、振り返ってる?



…このクマちゃん、知能がもしかして…高い!?





また腕振り上げてるし!




「わあああっ!!…ふぅ、よかったぁ…」




「椿ちゃん、右!」




「へ?…って、今度は頭をふってきたああぁ!?」




牙が当たるスレスレで避ける!



う…初めてもかも、こんなに手こずってるの!



隙がなくて、全然盗めない!



ちょっとだけ…ちょっとだけ体に触れるだけでいいのに!



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