学園世界のイロジカル
ふふ、と微笑みながらいうメガネ先輩に…なんか申し訳なくなる。



ごめんなさい、メガネ先輩…




「私は特務補助課の一員ですもの。

地位はまだそんなに高くないけれど、いくら大きな相手でも…呼んでさえくれれば、いつでもいろいろサポートの魔法をかけてあげますからね」




大きな相手…メガネ先輩は察しているのかもしれない。



さっきの…声しか聞けなかった女の子の言葉で、



頭の良い先輩のことだから。




けど…それをしつこく聞かないメガネ先輩に、今はただ感謝するだけ。



この問題はきっと大きくしたら、半世界中がパニックになる。



賛否両論になるかもしれないし、半世界全体を巻き込んだ大戦争にはしたくないんだ。





「行きましょう、2人とも。

操られた魔物の報告や研究もありますし、それに…」





メガネ先輩は、黒縁メガネをくいっと中指であげると笑った。





「……あなた方には、やることがあるのでしょう?」





メガネ先輩…



こく、とうなずいた私にふっと先輩は笑うと、




「私はこの世界に産まれ、この世界で育ちました。

この世界が壊れるなんて嫌ですから」






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