学園世界のイロジカル
「ね、ねえ!

これ押していい!?」




「ダメ」




「ええ!なんで!」




ちょっと悔しそうな顔をしたら、柊はすぐにタブレットを自分の手元に戻してしまった。


あー…あーゆーのって、すっごく押したくなるのにぃ。





「もしかしてですが…


ポイント制度、だから”ポイセ”なんですか?」





「その通り。

最初は”端末”って呼んでたのに、いつの間にかそう呼ばれていた」






ぽいんとせいど…の文字を取って”ポイセ”…




可愛い、というか変な造語…




でも、見た目は普通のスマホなのに…スマホと何が違うんだろ。






「簡単に言うと、この半世界は、”金=ポイント”になってるんだよ」




「えーっと…え?お金じゃなくて?」




「そ。

何を買うにも、全てがこの”ポイセ”をかざすだけで買えるんだ。


そのポイントを稼ぐために、生徒たちは学生決闘をしているんだ。


…ま、そのポイントを奪うがために色々な事件もあるけどな」





へー…事件もあるって、完璧お金扱いなんだね。


あっちの世界でも、かざすだけでお金が支払える、というのは珍しくないけど…半世界はこれが普通なんだなぁ。




「その他は大体スマホと同じだ。

メール機能通話機能、アプリもあるしカメラもネットもある。


他にもポイセならではの機能もあるしな」




「へぇ。例えばどんなのですか?」



ちょっと興味を示した感じの零が、電源ボタンに触れながら聞いた。



私も電源つけてみよっと!



< 46 / 533 >

この作品をシェア

pagetop