学園世界のイロジカル
「暗視スコープがないのに、なんでこんな暗闇の中、みなさんを判別することができるのでしょう」




零が静かにそう言った。



確かに。



日の光とかもなにもないはずの暗闇の中なのに…なんでみんなが見えるのかな。



けどやっぱりみんな分からないみたいで、零の問いに首を傾げるだけだった。



第一この中で1番頭いいのは零だし…零が分からなかったら、そんなにみんなも分からない。





そんな中、「あ」とナミが、なにかに気づいたかのように言った。




「私…前に聞いたことがあるんだけどさぁ」




ナミが、話をがんばって思い出すかのようにして話し始める。




「魔法使いじゃないのに…魔法みたいな能力を扱える、別の職持ちさんがいるの」



「まあ確かに、この暗闇で目が働くのは魔法が関係しそうだな」



「うん。

確か、その職持ちさんは…生きていないものに命を与えることができるらしくって」




生きていないものに…命を?



どうゆうことかわかんないけど…




「で、もうすっごく強いらしくって。

魔法をなんで操れるかって言ったら…


…生きていないはずの魔法にも、命を与えることができるからなんだって」




「魔法に命…?どうゆうこと、ナミ?

俺は仕事柄たくさんの職を見てきたけど、そんな職…」





「そりゃそうだよ龍矢。

だってその人が強いだけで…その職持ちは普通にたくさんいるはずなのに、

そんな技を扱える人はその人しかいないって噂だもん」





でも…噂だよね、そんなの?


魔法に命を与えることができるってのも、はっきり言ってよく分からないし…







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