学園世界のイロジカル
デザイナー…



その単語を聞いた瞬間、あの人が浮かぶ。



違う。


違う、絶対にあの人じゃない。





デザイナーの知人が…あの人なだけ。



だってあの人は、優しい人。



あの時、私に心からの笑顔を浮かべていたし…




「椿?」




ナミの声に返事もできないほど、気がおかしくなってる。



絶対あの人じゃないはずなのに…



でも、



声が…似てた。



あの声は絶対聞いたことある。



…あの場所で?




違う!絶対に…違う!




「…椿さん、現実を見て。

あたしはあたしです」





コツ、コツ…後ろから響く靴音。



私以外…なぜかみんな、気付いてない。



あ、そっか。


ナミは今龍矢の華麗な戦いぶりに目を奪われてて、他の3人は戦い中で聞こえないのか。




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