学園世界のイロジカル
「う…そ…」




口から出たのはその2文字だけ。





「なんだよ、あれ!」



「…俺、聞いたことがあるんだけど」




龍矢が焦りを落ち着かせるように、でもやっぱり焦ってるのかちょっと早口で言う。





「王家は警備のために…

とんでもない”化け物”を作ってるらしい」





目の前に迫ってきたのは…



高さが二階建ての家1軒分ぐらいあって、


体は赤くって、


牛みたいな立派な角が生えてて、


絵本に出てくる鬼が持つ金棒を持ってて、



…感情のない目をしている、




”魔物”









その大きな大きな魔物の肩にココは乗っていた。



さすがに知らせなきゃ!




「みんな、あそこ見て!!」



気付いて、ココに!



「椿…どこですか?なにかあるんですか?」



「え?

いや、あそこに、菊が言ってた”強い女”の1人目が…!」



「嘘だろ?

…俺にも見えねえし」







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