学園世界のイロジカル
ココは大粒の涙をただただ目からこぼしていた。


手を前に出して。




待って…ココのあの手は、魔物を操ってた手?


じゃあ…魔物を倒したのは、




ココ……?





いやでもなんで?いくらなんでもそんなわけない。



だって…動機が、理由がない。





「…柊」




そう、柊を呼んだのは…



…紛れもなく、ココだった。





涙を拭うこともなく、ただただ柊を見ながら言う。



けど…柊にはもちろん聞こえなくって、返事なんてない。




「柊…柊……


…ごめんな、さい…」




…どうゆうこと…?


待って…まさか……!





「ね、ねえ柊!」



「あ、ああ…なんだ?」



まだ魔物を見ながら固まってた柊が、こちらを向いた。



私は意を決して…柊に、問う。




「…柊の1つ年上のメイドさんって…名前、なんていうの?」





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