学園世界のイロジカル
だから柊もナミも、懐かしいような目でここを見ていたのか。



話を聞く限り、やっぱりアレン君も持ち上がり組っぽい。




「…外部組って、やっぱりそんなにいないんだね」




「第一、外部組は大体高2に上がる時点で転校しちゃうんだよねぇ。


学年が上がるとき、半世界から出たいか問われるのがあるんだけど…僕の年の外部組は結局1人しか残らなかったんだぁ」





ちょっと悲しそうにアレン君が言った。


…私はその言葉に、何一つ言葉が発せなかった。



だって、私もきっと…





「楽しい世界なんだけどね。外部組は勉強に生きるタイプが多いから」




ナミも眉を寄せながら、やっぱりちょっと悲しそうな笑って言った。


…楽しい世界なんだろうなぁ、ってことは分かる。





ココにいる人みんながみんな笑顔で…この世界にいることが当たり前のように思っているのだろう。




でも、私は。この世界にいるわけにはいかない。




強くなるためには。真実を暴くためには。






この世界には…いられないから。






「…なぁ、ここで二手に分かれねぇ?」





ちょっとしーんと沈みかえっていた空気の中柊がそんな提案をする。





「なんでよ。ここで別れても意味ないじゃない」



「バカ、この大広間の中二手に分かれるって話だっつの。

大広間の扉もいっぱいあるし、捜索に時間はかけたくねえ。


俺と零と椿、お前とアレンな」











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