学園世界のイロジカル
…はいはい私は覚える気も起きませんでしたよすいませんねぇ!






「…二階堂椿さん、僕の名前…知らないのですか?」





…とんだ自意識過剰ですね君!



君の名前を私が知ってるとでも!?ごめんね、知らないよ!





「…一応名は知られてると思いましたが、

僕もまだまだですね」





「…じゃあ、あんたの名前は何なの?」






「…僕の名前は江崎 零(えさき れい)です。

…ま、ミドルネームは無くしてますが」




ふーん…零、か。



結構かっこいい名前だなぁ。






「じゃあさ、なんで零は自分の名前が私たちに知られてると思ったわけ?」




私の質問に零は淡々と答えた。




「僕が新入生代表挨拶をしたからですよ。

普通、代表の人は覚えるでしょう?」





…あー、なるほどね。


新入生代表挨拶かぁ…つまり、この難関校の首席ってこと…




「って、首席ぃ!?零がぁ!?」




思わず叫ぶと、零は耳を指で塞いだ。


五月蝿そうに顔を歪めて、私を睨んでくる。





「悪いですか。少なくとも僕は、

イギリスの中学も高校も大学も全部代表挨拶の人の名前は覚えときましたよ?」




「…へぇ、私中学の時には田舎だったからなぁ。

大学もやっぱり代表挨拶とかあるんだね…」





「まぁ、少なくとも僕の行った大学にはありましたね」







へー…と続けようとしたところで、私の思考が一瞬止まった。









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