学園世界のイロジカル
「え、え?

全っ然わかんない…」




「僕もよく分かりません」





2人、またナミを見つめる。




もう人形たちとナミの間に大した距離は無い。




「柊、どうゆうことー!?」




「ま、見てろって」




整った顔の口元を少し緩ませながら、柊は言う。






「本当の種明かしショーが始まるぜ?」





人形たちはナミの一歩手前で止まり、10体ぐらいの無感情な顔をした人形がナミを取り囲む。




…でも、全然攻撃する様子がない。


えっと…人形たちに、何をさせたいのよ柊?







「あーあ。だから柊には敵わないのよ。


サラッと生徒会長の座も持ってかれちゃったしねー」




ちょっとした沈黙が流れる中、陽気に口を開いたのは…



悔しそうな顔をしながらもニコニコと笑っている、ナミだった。





「お前、それで騙せてるとか思うなよ?

バレバレだっつの」




「いやー、結構頑張ったんだけど、これでも。


しかも本気で戦っちゃったし」




「だよな、手加減一切なかったもんな…

あれはないわ」




ニコニコと笑いながらそんなことを言い合う2人。



…え?え、え!?




「どうゆうこと!?」






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