学園世界のイロジカル
「で、ふらふらーっと柊たちのところへ行かされてる途中、ステッキの効果がブレたのか、ちょっと意識が戻ってさ。

急いで舌噛んで…後はココに戻るために自我をなくしたフリしてたの。



ある程度戦わないと、どこで監視されてるかも分からないしねー」




なるほどね…



さすがナミ。戦闘とかになれてるおかげか、舌噛んで自我を保つという考えが浮かぶとは。



私だったら絶対言いなりになってる…




「…で、アレンさんはどこへ行ったのですか」




…ごめんアレン君また忘れてた。



私の表情から心のうちを察したのか、零が呆れたようにはぁーっと大きくため息をついた。



そ、そんなに冷たい目を向けなくても。




反省はしてるし!




「…で、どこです?」



…なんか呆れすぎて、もうどうでもいいやって思われた感じがする。



そんなネガティブ思考に陥りそうになりながら、ナミの言葉に耳を傾けた。





「それが、自我を戻した時にはもう誰もいなかったんだよね。


いたとしたら何体もの人形たち」




つまり、居場所が分からない、と。


…天使のような笑顔が頭をよぎる。





「…じゃ、アレン君ってさ…」





「まさかですけど…」




柊がはあーっと大きなため息をつく。





「まだ、つかまってるってことかよ?」





うーん、と眉を下げながら考えた末、ナミは…



「多分!」


と言って、ごめんねー!と笑う。










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