未来の為に生きる彼女

彼女の癌が発覚したのは
その数日後であった。

私は下らない内容のlineを送信した。
返信はわりと早かった。


"うける(笑)かわいいな"

"てかね、私、退院出来るかもって言ったじゃん。"

"ごめんなんだけど、私胃ガンになったの"


内容は
病院を移る準備などがあり
お見舞いに来てもらうことが出来ないということだった。

私は頭の中が真っ白になった。


"え?癌って初期の?
治るんだよね?!"


しばらく返信はなかった。
心配しつつ、
私は急いで仕事に行く準備をしていた。

職場につき、着替え終えたあと、
携帯をチェックすると返信があった。


"末期の癌なんだよね。"

"だから胃を全摘出するんだ。"

"次は○○病院に転院する予定!
また会いに来てね!!"

"支えてほしい。"


あまりの衝撃な事実になにも返せなかった。
時間も時間だったため、
そのまま出勤することに。


真っ白になった頭ではなにも考えることが出来ず、
その日一日私はずっとぼーっとしていたのだろう。

使っていた包丁で指を切ってしまった。

痛みさえ感じなかっただろう、
ただただ
指から出てくる血をしばらく見ていた。
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