鬼呼びの花嫁




「いろいろ大変かもしれませんが頑張ってくださいね。わたしはクラス担任の榊です。これから教室に案内します」


挨拶が終わって部屋を出て案内してくれた榊先生と一緒に校舎の中を歩くとさっきみたいに男子生徒がまた振り向いた。


わたしの顔に何かついてるかな?


「人間の女の子が珍しいんですよ」

はい?

「わたしも鬼呼びの力を持つ女の子はつばきさんでふたりめです」


人間が珍しい?鬼呼び?

わけがわからない。
榊先生の後について行くと、2年7組の前で止まった。


「ここがつばきさんの転入するクラスです」


ドアを開けた途端に、一斉に話し声が止み視線がわたしに集中した。


「転入生を紹介しますので、席についてください」

ざわざわ
ガタガタ

席についたみんなに榊先生はわたしを紹介してくれた。


「―――と、いうわけで桜木くん、校舎の中を案内してくれませんか?」



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