鬼呼びの花嫁
隣の家
力の強い者は人間の記憶も操作できるんですよ。
つばきさんの家族の記憶を曲げたのはわたしです。
榊先生の話は衝撃で、
わたしは混乱したまま家の前で車を降りた。
「大丈夫ですか?明日の朝、迎えにきましょうか」
榊先生の迎えを断り先生の車を見送った。
赤いテールランプを見ながら家の門をくぐろうとした時に、隣の家の門が音を立てて開いた。
「……なんだ、おまえかよ」
黄金色した瞳がわたしを見てキラリと光った。
ムッとした表情で明らかに苛立ってる声。
桜木くんはわたしを見て家の表札を見た。
「……おまえの家か」
「うん。桜木くんの家が隣なんだね」
桜木くんはその問いには無視して大きい門じゃなく小さな門の扉を閉めた。
今朝は高級車が出てきた時に桜木くんが乗ってたんだね。
今わかった。