鬼呼びの花嫁
榊先生?
「指輪はつばきさんが気を失うとわたしの指から抜けました。指輪が抜けたということは、わたしが本当に選ばれたということではありません」
そう、榊先生が言った。
「安心しましたか?」
「え?」
「つばきさんも気づいたんでしょう?つばきさんの指輪が相手を選ぶということに」
おばあ様が持っていた指輪。
どうみてもペアの指輪だった。
きっとおばあ様とおじい様が持ってたに違いない。
わたしのお母さんが生まれる前におじい様は亡くなったと聞いたことがある……
おばあ様が鬼呼びの力があったならその相手は―――
「鬼」