鬼呼びの花嫁




朝になったら、
昨日と同じように柊くんが家に迎えにきてくれた。


「榊先生から聞いたよ、倒れたんだって?」

「軽い貧血だったけど大丈夫だったから」


高級車に乗せられる寸前で、隣のお屋敷の門が開いた。滑るように走り出した車の後部座席には桜木くんが乗っていた。

チリン
音がしてもうひとつの隣のお屋敷の門が開いた。
車に乗ってたのは昨日クラスに転校してきたばかりの神梅白くんだった。


「神梅くん?」

ちらり、わたしに気づいたみたい。
だけど、そのまま興味も無さそうに走り去った。


「宣戦布告だね」

「え?」

「何でもない、学校へ行こうか」


隣のお屋敷……右には桜木くんの家で、左は神梅白くん。

なんだかわたしの知らないところで何かが動き出してる気がして胸騒ぎがした。


「遅刻するよ、行こうか」

促されて乗り込んだ車の中で、柊くんが難しい顔をしていたのが気になった―――



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