鬼呼びの花嫁





ぐい

誰かに腕を掴まれてすごい力で引っ張られた。

引っ張られたわたしの頬を掠めて髪を散らす風が通り過ぎる。

誰かがわたしの背中を抱えて宙を跳んでいた。


目の前に見えるのは歩道の脇にあった店に突っ込んで大破した赤い車……

ボンネットから白い煙が吹き上がる



「ミイちゃん!!」




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