鬼呼びの花嫁




ボンッ

ガラスが吹き飛んで、爆風で足元が揺れた。
炎が上がり火柱があっという間に車を包み込む。


「……み、いちゃ、ん」


うそ。
助けて……ミイちゃんを助けて。
お願い……


助けられなかった。
……わたし、傍にいたのに。

伸ばした手が掴めなかった……



わたし、ミイちゃんを見殺しにした―――


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