クールガールと獣《ケダモノ》くん
ケーキ屋を出て、
カラオケに行った。


「結衣って歌うまいよな~」


「そう?はい、次アンタ。」


「はい来たあ~っ!
俺の歌声聞いて惚れんなよ?」


時間はあっという間に過ぎていた。



カラオケから出ると、
すっかり暗くなっていた。


「いやあ~歌ったわ。
結衣の歌声聞いたら惚れ直した。」


「ふーん。」


「だから、そこは喜ぶとこだろが!」


ギャンギャン吠えてくる
ツンツン頭を置いてカラオケ店を出た。


どうして、こーゆう時って足が動かないんだろう。



目を反らせないのだろう。


反対側に、嫌なくらい目立つ白金の頭。
その横には、派手な化粧の女が歩いていた。


たったそれだけ。


私はそこから目が離せないでいた。


「結衣ー?」


「………。」


白金の頭の男は、
私に気づいたみたいで
視線が重なった。


「おーい、結衣どした?」

「あれ…」


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