クールガールと獣《ケダモノ》くん
「なんかダブルデートみたいでいいよね~」


オシャレなレストラン。


向かい合って座る私達。


はしゃいでいるのは、
佐原恭二の女だけ。


ダブルデート?


違う。


隣にいるのは、アンタじゃない。


「勘違いすんなよ。
お前は彼女じゃないだろ。」


「もうすぐ、彼女になるでしょ?」


「言ったろ。
俺は彼女とか作らねえよ。一生…」


冷たくて、震えそうなくらい怖い瞳が私には向けられていて…


その言葉が胸につきささった…


ヤバイな…



何でかな…


食事が喉に通らない…


「ちょっと、トイレ…」



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