クールガールと獣《ケダモノ》くん
沈黙がキツイ…


先に口を開いたのは佐原恭二。


「痩せたな。」


「そう?」


「泣いてた?」


「まあね。」


くしゃりと顔を歪めて
私の顔を包んだ。


「結衣。」


「ん。」


「俺、へたれで弱虫だ。」

「それは私もでしょ。」


「違うんだよ。
ルイと一緒にいるお前みて嫉妬したくせに、何もできなかった。

本当は、寂しいくせに
何もできなくて、ただイライラを他の女でごまかして…

でも無理なんだよ…」


「うん。」


「1人は嫌だ。」


「うん。」


「結衣。」


「ん?」


「一緒にいてよ。」


そんなの…


「決まってる。」


< 124 / 220 >

この作品をシェア

pagetop