クールガールと獣《ケダモノ》くん
うん…

暇ですね。


部屋に取り残された私は
暇です。


ピリピリ…ピリピリ…


「もしもし。」


出て行ったばっかの
彼から電話。


『言い忘れてたんだけどな、ユイにエサあげて。』


「ユイ?は?」


訳がわからないでいると…

ミャー。


どこからか、猫の鳴き声が聞こえた。


ベッドからピョンと降りてきたのは、ロシアンブルーの子猫だった。


『家の前にさ、段ボールがあってそこに捨てられてたんだ。』


「そうなんだ。
名前、ユイって私と一緒。」


『結衣そっくりだから
ユイ。
っつうわけだから、ヨロシク~』


「うん、わかった。」


ジー…


視線を感じると思ったら、ユイが私を見つめていた。


「ユイ、おいで。」


そう言ったら、
ツンっとそっぽを向いた。

なんだよ…


とりあえず、エサをあげよう。


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