クールガールと獣《ケダモノ》くん
花火大会当日。


「浴衣、似合ってる。」


「そ、そう?」


白地に、紫の小花柄の
浴衣。


髪も、アップしてもらった。


「脱がせるの楽しみだな。」


「バカ!」


ハハッッといたずらに笑う。


普通に笑いあえることが
幸せだと思う。


「お~い!!
恭ちゃああん!」


「あ"ッッ!?
お前、何で…」


駅で電車に乗ろうとしたら、ツンツン頭が走ってきた。


そう言えば、
祐希さんがツンツン頭を誘ったって言ってた。


「祐希ちゃんに誘われたんだけど、まだ来てないみたいだから。」


「あそ。」


「ど、どうしよう…
俺、食われるかも…」


「そーな。
食われてなくなれ。」


佐原恭二は、どSだ。


「ねえ、ツンツン頭。」


「何?」


「祐希さんのこと、
ちゃんと考えてあげて。」


ふった私がいうのも
おかしいけど。


祐希さんは、肉食だけど
本気みたいだし。
今日だって、緊張しすぎて無理…とか言ってたし。


実際、ツンツン頭を
振り向かせるために必死。

あんな真っ直ぐな人
いないと思う。


「わかってる。
毎日好き、好き言われるとさなんてゆうか嫌でも考えちまうよな。」


ツンツン頭は、少し照れたように笑った。


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