クールガールと獣《ケダモノ》くん
バイトが終わった後、
佐原恭二の家に向かった。


今日は休みだから家にいるはずだから。


鍵はあるけど、一応ピンポンをする。


ピンポンーっ。


ガチャリ…


「結衣、どうした?」


「話があって。」


「わかった。とりあえず中入れよ。」


中に入ってソファーに座った。


「何かあった?」


「恭二の弟、芹澤秋斗に会った。」


そう言った瞬間、
顔つきが変わった。


たまにみる恐ろしいくらいの冷たい顔だ。


「何かされたか?
どこで会った?」


「落ち着いて。
芹澤秋斗、私の店に来るの。」


「それで?」


「嫌がらせみたいなことされた。」


「……。」


佐原恭二は無言で立ち上がった。


「何、する気?」


「秋斗に会って来る。」


「会ってどうするのよ。」
「結衣に何かしたら
誰だろうが許さねえよ。」

「ちょっと待って!
直接何かしてきたわけじゃないよ。
ただ、私の店に迷惑がかかるから。」


尋常じゃないくらい
佐原恭二は怖い顔をしていた。



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