クールガールと獣《ケダモノ》くん
秋斗が帰って、
結衣は校門に寄りかかって待っていた。


「結衣、迷惑かけたな。
悪かった。」


「私は大丈夫。」


「俺さ、母親のとこに
行ってくるよ。」


「大丈夫?」


「大丈夫。
ケリをつけたいんだ。」


結衣は何も言わず、
手を握った。


大丈夫。


俺には結衣がいるから。



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