クールガールと獣《ケダモノ》くん
「ふざけないでよ…」


怒りに満ちた顔で、
言ったのは本妻だった。


「ふざけんじゃないわよ! アンタのせいで…アンタのせいで私がどんだけ苦しんだと思ってるのよ!!」


「わかってます。
それでも…愛していたんです…」


「アンタさえ…アンタさえいなければ、正幸さんは私に目を向けてくれたのよ!」


パシンと乾いた音がした。


それは本妻が母親の頬を叩いた音だった。


「さつき!何してるんだ!」


「私が受けた傷はこんなもんじゃないわよ!!
私たち家族を滅茶苦茶にしたこの女が許せない!」


わなわなと震え、
母親を睨む。


「やめろよ…母さん。」


そこへ入って来たのは
秋斗だった。



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