クールガールと獣《ケダモノ》くん
結局は、この人は新しい家族になって…


新しい時間を刻むんだ。



私は、ずっと1人だ。



手を伸ばしても
繋がれることのない手。



一度くらい…



繋いでみたかったな。



ピリピリ…ピリピリ…


静かな部屋に鳴り響いた携帯。



恭二からだった。



「もしもし…」


『結衣、ケリついたから。』


「そっか。
良かったね恭二。」


『ああ。
母さんと、また家族やり直そって…
今のマンション引き払って、新しい住む場所見つけるんだってさ。
一緒に住む?って言われたけどそれはやめといた。』


にっこり笑う恭二の顔が浮かぶ。


「良かったね。本当に…



『結衣ー?どした?』


「大丈夫…私は大丈夫だから。」


『大丈夫じゃねえよ。
今どこ。』


「恭二…私はひとりぼっちだよ。」




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