クールガールと獣《ケダモノ》くん
「ひとりぼっちなんて
言うなよ…」


ふわりと包まれた体。


恭二の匂いだ。


「恭二…。」


「鍵開いてたからさ、
親は?」


「もう帰ってこないよ。」


「帰ってこない?」


「結婚するんだってさ。
新しい子供とさ、旦那と
家族やるんだって。」


「結衣、大丈夫だから。
俺がいるから。」


涙を流す私を、落ち着かせるように恭二は言った。


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