クールガールと獣《ケダモノ》くん
あーあ…
どーしてくれんの…
私の顔。
腫れたじゃん。
「あーあ…また派手にやったなー。」
「やったんじゃなくて、
やられたんだよ。」
ジャージに赤い髪のこの人は、こう見えて保健医。
元ヤン保健医。
澤口弘平サワグチコウヘイ
「よし、しばらく冷やしとけ。」
「冷た…」
この人は、教師だけど
教師らしくない。
さぼらしてくれるから。
「ねーヤンキー。」
「元だ!つうか先生と呼べ!せめて名前で言えやボケ!」
「アタシとさ、やる?
3万で。」
「ブァァカ。
柴又、しめられてえの!?ガキとやるほど飢えてねえ!つうか無表情で言うな。」
むにっとほっぺたをつねられた。
痛い。
さっき叩かれたとこつねんなよ。
「おじさんとなんかやらないよ。」
「おじさんだ!?
あのなあ、まだ25だ。」
「興味ないけど。」
パサッとベッドに横になる。