クールガールと獣《ケダモノ》くん
なのに、何で来ちゃってんの…


私。



「勇さん、お願いします。」


勇って人は指命が入ったらしく、席をたった。


本当、何しに来たんだろ。


「ご指名有り難うございます。お客様。」


「佐原…恭二…」


いつの間にか隣にいたのは佐原恭二だった。


「会いたくなって来ちゃったわけ?」


「違うわよ。」


「じゃあ、何しに来たの?」


「別に…暇潰し?」


「暇潰し…ねえ。」


そう言いながら、腰に手を回してくる。


「そーやって女を落とすんだ。」


「こっちも商売なんでね。でも、結衣は特別。
俺の彼女だから。」


わざと耳元で甘くささやく。


「よく言う。」


心なんて人欠片も
入ってないくせに。



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