願う場所、望む奇跡
……どうして姉弟なんだろう。
どうして、離れた期間なんてあったのだろう。
他人で出逢ったのなら、普通に恋が出来たのに。
それでも、姉弟じゃないと出逢うことがなかったかもしれない。
頭の中がぐちゃぐちゃだ。
誰に何をぶつければいいのか分からない。
こんな形でなんかしたくなかったのに。
全てが上手くいかない。
普段はこうじゃないのに。
夏希のことになると、周りが見えなくなる。
だから、ミスを犯すんだ。
「よーしやくん」
夏希とキスした次の日、朝早くに夏希は出ていた。
だから、顔は合わせていない。
どんな想いでいるのかさっぱり分からず、モヤモヤしていた。
そんな中、川島遥が俺を呼ぶ。
相変わらず甘ったるい声と満面の笑みで。
俺は、いつも通り無視する。
「ちょっと話しがあるんだぁ。出ない?」
それでも話しかけてくるから、無視を続ける。