願う場所、望む奇跡
「逢わないから大丈夫です。
その代わり、ご飯おごってくださいね」
「あ、そのぐらいはさせていただきますっ」
こうして、自分1人ではどのくらいかかるか分からないモノを、ご飯と引き換えに莉亜に手伝ってもらうことになった。
本当に、こんなんじゃいけない。
人に迷惑かけてしまっては。
「林さんっ。ちょっといい?」
私が仕事を頼んでいるとこへ、松本くんの声がした。
「え?あたしですか?夏希先輩じゃなくて?」
自分が呼ばれるとは思っていなくて、呼ばれた本人は驚いている。
「うん、夏希じゃなくて林さん」
再度、莉亜を呼ぶ。
それでも、理由が分からなくて莉亜は首を傾げる。
「行っておいで。仕事かもしれないし」
「うーん。まぁ、行って来ます」
渋々という感じで、松本くんの方へ行き、2人は部屋を出て行った。
それを見送って、仕事に取り掛かる。