願う場所、望む奇跡
*目を逸らさない-義哉side-
思った以上に単純で助かった。
とりあえず、女を1人使って写真のデータが他に移行されていないか確認した。
もちろん、キス写真なんて言っていない。
下手に話すと、同じことを考えるヤツが出て来るかもしれないから。
それで、他に移行されていないことを確認した。
そもそも、この女は機械音痴らしく、移行の仕方も分からないらしい。
携帯も使いこなせていないとか。
それを聞いて安心した俺は、少しだけ甘い顔を使った。
簡単に騙されるんだから、単純もいいとこだ。
こうして、思った以上に簡単にデータは削除出来た。
だからもう、必要以上に一緒にいることもしなくて良かった。
女は女で、ちょっと甘い顔してもらったからって勘違いしていた。
ベタベタしてもらえると思っていたらしい。
そんな訳がないのに。
その上、データを消されたことに気づいていない。
相変わらず、いじめにも遭っていた。
偶然、その場に居合わせたことがあった。
懇願するように俺を見た。
いじめている方は、俺に見られて狼狽えている。