願う場所、望む奇跡
温もりがなくなったとたんに寂しさを感じた。
だけど、大丈夫。
私と同じ気持ちでいてくれているって分かったから。
その後も、何かが変わった訳じゃない。
距離間は姉弟のままだし、本当に付き合っているのかなと思うことは多々ある。
不安だって、全くない訳じゃない。
だけど、そういうのを敏感に感じ取るみたいで、不安になった時に義哉は何も言わず部屋まで来て抱きしめてくれる。
それで不安がなくなるから、私も単純だよね。
義哉の受験が終わるまであと少し。
それまでは我慢しなくちゃ。
それが終われば、少しは恋人っぽく出来るかな。
もちろん、堂々とは出来ないけど。
温泉行けるし、その時までは自分磨きと仕事に打ち込む。
前もってヤると宣言されると、今から不安で仕方ない。
でも、相手は義哉。
私が1番大好きな人だから大丈夫。
私は、義哉に全てを捧げるだけ。
――――――ある休日、1人街を彷徨っている。
周りの人に注意しながら。