願う場所、望む奇跡
微妙なタッチが、なんとも言えない感情を生む。
だんだんと息遣いも荒くなる。
「そんな声出されたら、我慢出来なくなるって言ったよね?」
「え?んっ……」
聞き返そうと思ったら、それより先に唇を塞がれた。
遠慮なしに口内をいじられる。
深すぎて、息が続かなくなった。
息苦しくて止めて欲しいけど、甘いこの空気に溺れていたいとも思う。
どうしていいか分からなくなった私は、そっと義哉の服の裾を握った。
「そういう可愛い仕草は、俺の前だけにしてよ」
唇を離し、額同士をこつんと合わせてそんなことを言う。
でも、何が可愛い仕草か分からない。
だから、私は首を傾げるしかなかった。
「俺以外と2人きりにならない。隙を見せないってこと」
そう言いながら、私をゆっくりと押し倒す。
「……あれ?あ、嘘、まさか」
戸惑う私をよそに、義哉は私に馬乗りになって、楽しそうに笑う。