願う場所、望む奇跡
急に言った私の言葉に、義哉は目を丸くして驚く。
そして、自分の頭をがしがしかいた。
「何で……。
あーもう、こういう時に言うのはズルイって分かっている?」
そんなこと言われても、私は知らない。
どうしても言いたくなったんだもん。
「どうなっても知らないから」
「え?あ、んっ」
急に義哉は激しく動き出す。
私は、それについていくので精一杯で、義哉しか見えなかった。
声も止まらない。
私は、そのうち意識を飛ばしてしまった。
その日以降、お母さんがいないのをいいことに、義哉は毎日求めてきた。
こんなんで、お母さんが帰ってきたあとはどうするのだろう。
頻繁に出張がある訳じゃないのに、我慢出来るのだろうか。
そんな心配をしてみるけど、私だって拒める訳じゃなかった。
本当はいつだってどこだって、触れて欲しかったのだから。
「やっぱり、早く家を出たい」