願う場所、望む奇跡



1度意識を飛ばしたあと、その余韻に浸るように義哉のベッドで横になっていた。

そこへ、義哉が言ったのだ。



「え?どうして?」


「お母さんが帰って来たら夏希とヤれなくなる。それは、思った以上に辛いから」



そう言いながら、横になったまま私を抱きしめた。



「もちろん、ヤるとかの前に堂々としていたいから」



それは、私も同じだからなんとも言えない。

だけど、どう頑張っても義哉の卒業は待たないといけない。

今中退してしまえば、せっかく決まった仕事もなくなってしまうから。



「そんな心配そうな顔しないで。卒業までは我慢するよ。いくらなんでも、無責任なことは出来ないから」


「……私だって、一緒にいたいからね」



真剣な顔でそう言うと、なぜか笑われた。



「大丈夫。夏希の気持ちを疑うことはないよ。
だって、俺だけにこんなに感じているから」



布団の中でゴソゴソしているかと思えば、まだ潤いの残る場所に触れる。




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