願う場所、望む奇跡
「えっ!?」
「……どういうこと?」
私も義哉も、お母さんの言葉の意味が分からない。
「何から話せばいいのかな……。まさか、こんなことになるとは思っていなかったから」
ため息と共に、そんな言葉が漏れる。
一般の人は、こんなこと予想はしない。
私だって、予想はしていなかった。
だけど、お母さんの話しの方が予想つかない。
血は争えないって何?
「私、わざと連絡しなかったのよ。出張が早めに終わったのに。2人の様子がおかしいことに気づいていたから」
それで、予定より早い5日目なのに今、ここにいるのか。
それよりも、気づいていたらしい。
やっぱり、母の目は欺けない。
「2人がコソコソしているのに加えて、夏希の目が私と一緒だった。
まるで、私自身を見ているようだった……」
「お母さんと一緒って、どういうこと?」