願う場所、望む奇跡



私の目がどういうのだったのか分からないし、お母さんと一緒っていう意味も分からない。



「まさか、家のことを話すことになるとは思わなかったわ」



全然話しが噛み合っていなくて、私は首を傾げる。



「私は、あなたたち2人を責めることは出来ないの」


「え?どうして……」


「だって、私も同じ。実の兄が好きだったのだから」


「……えっ!?」



私は義哉と顔を見合わせた。

思ってもみない爆弾発言に、義哉も目を丸くしている。

聞き間違いじゃないよね。


だけど、お母さんに兄弟がいたことさえ知らない。

だって、お母さんの実家なんて1度も行った覚えがないどころか、どこにあるのかさえ知らない。

そのため、家族構成なんて知らないんだ。

それは、お父さん側も同じ。


でも、お母さんが実の兄を好きだったということは、お父さんを好きじゃないってことだ。

それで、離婚した。

だけど、手紙という手段を使って連絡を取っていたのに何で?




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