願う場所、望む奇跡
「悠弥くんとそんな話し、するんだねぇ」
「悠弥が聞きたがるんだよ。俺に彼女なんて初めてだから」
彼女って改めて言われると、恥ずかしくなる。
その単語にも、未だ慣れない。
「だけど、会社も辞めるって決まったでしょ?言わないと、たぶん莉亜さんは納得しないよ」
それは、義哉の言う通りだと思う。
莉亜には、はっきり言わないと通用しない。
「言いにくい?」
「うーん……ここまでくると、莉亜に嫌われるのが怖いって言うか……」
「前にも言ったじゃん。悠弥が大丈夫だから、その姉である莉亜さんも大丈夫だって。
むしろ、話さなかったことに怒るんじゃないかって、悠弥が言っていたけど」
「やっぱり、そうかな。週末にでも言おうかな」
さすが悠弥くん。
姉のこと、分かっているなぁ。
「俺も一緒にいようか?」