願う場所、望む奇跡
そんなふとした瞬間に、義哉は優しい一言をくれる。
それが、本当に嬉しい。
「大丈夫だよ。相手は莉亜だもん。なんとかなるよ」
安心させるように、にっこり笑って言う。
そうすると、なぜか義哉は私の首元に顔を埋めた。
「義哉?」
名前を呼んでみるけど、反応がない。
顔を埋めているだけで、動きはない。
どうしていいか分からず、とりあえず義哉の頭を撫でてみる。
「……松本さんとは、どうしている?」
「松本くん?仕事上で話すことはあっても、今はプライベートでは話さないかな。
社内でも、別れたって噂が流れて、私たち否定もしなかったからそのまま」
「彼女とかは?」
「んー、分からない。
頼りになる人だし、顔もイイからモテなくはないと思うけど」
そう言うと、急に顔を上げて私を睨む。
「え?な、なに?」