願う場所、望む奇跡
「俺の前で、他の男を褒めないで」
「え?そんなつもりじゃ……んっ」
私の言葉を遮って、唇を奪う。
それも、優しさなどなく、激しく全てを奪われてしまいそうなほど。
久しぶりに見た。
未だに、松本くんに嫉妬しているんだ。
嬉しさもある反面、今は苦しいけど。
でも、嫉妬なんてしなくても、私は義哉だけなのに。
他の人なんて、考えられないのに。
「大丈夫だよ。私もずっと、義哉だけが好きだから」
義哉に抱きつき、耳元で囁いた。
そのあと、目を合わせた義哉は驚いていた。
だけど、すぐに黒い笑顔を見せた。
「煽った罰だよ。今日は、寝かさないから」
「え?あ、明日も仕事だけど……」
「そんなの知らないよ」
それだけ言うと、貪るように唇を奪う。
そして、口を挟む暇などないぐらいに溶かされていった。