願う場所、望む奇跡
「それもそうか。少し見てみたい気もするけど」
「あたしも、機会があれば見たいですねー」
笑いながらそんなことを話していた。
そのうち、熱かった頬も冷めた。
だから、あまり気にしなかった。
なぜ熱くなったのか。
考えたところで、自分自身が分かっていないのだから答えなんて出る訳がない。
莉亜も対して突っ込まなかったから、そんなに気にすることじゃないんだ。
そう思った私は、無理やり頭の隅に追いやった。
だけど、結局はそれも無駄になる。
いつの間にか、何よりも誰よりも考えるようになる。
その理由さえ、私は気づかないままに。