願う場所、望む奇跡



それに、そこへ割って入ろうとしたあなたの方が付きまとっているように見えるけど。



「アンタみたいなオバサンが好きになっても意味ないの」



オバサンって……私はまだ23だ。

失礼すぎるなと呆れてしまう。



「あのさ、さっきから黙っていれば言いたい放題で。
だいたい、恋するのは人の勝手でしょ」



呆れて冷たく言い放つと、言い返されるとは思っていなかったのか、驚いている。



「それに、彼が好きなら私にとやかく言う前に振り向かせる努力でもしたら?」



そう言い放つと、彼女はかっと顔を赤くして私を睨みつけた。



「アンタにそんなこと言われたくないわよっ。偉そうに言わないでっ」


「偉そうなのはあなた。年上への言葉遣いはきちんとした方がいいと思うよ」


「何でアンタになんか敬語を遣わなきゃいけないのよっ。泥棒のくせにっ」


「彼を取ったってこと?
……あなた今言ったじゃない。彼に彼女はいないって。だったら取ってはいないと思うけど」




< 31 / 274 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop