願う場所、望む奇跡
☆Secret.2
*愛を抱えたままで
気づいてはいけないモノに気づいてしまった私は、確実にいつも通りではいられなくなった。
家では、今まで以上に目を合わせることは出来ないでいた。
変に思われないように、頑張って話しはした。
だけど、それが冷静に言えているのか分からない。
母親にだって、バレないようにビクビクしていた。
会社では、本人がいないにもかかわらず、落ち着かなかった。
「今井さん、数字が間違っているよ」
「え?あ、ごめんっ。すぐに直す」
こうやって松本くんにミスを指摘される回数も増えた。
「大丈夫?最近多いけど」
「あ、うん。大丈夫だよ。迷惑かけてごめんね」
今までミスすることはほとんどなかったため、心配された。
その気持ちはありがたいけど、何も言えないから苦しい。
「夏希先輩、最近おかしいですよ?」
ミスが多発しているため、ゆっくりとランチする暇がなく最近は別々だった。
その中で、ようやくゆっくり莉亜とランチが出来ると思っていたら、待っていましたとばかりに切り込んでくる。