願う場所、望む奇跡
「とりあえず座って」
広い会議室にたった2人、隣に座って向き合った。
なんの話しか検討もつかない。
「回りくどいの嫌だから、ストレートに聞いていい?」
何を聞かれるのか分からないけど、とりあえず頷いた。
「今井さん、弟のことが好きなの?」
そう聞かれて、思わず驚いてしまった。
そして、全身が少しずつ震えてきた。
「な……何を言っているの……?」
普通に言っているつもりでも、声が震えているのが分かる。
「こないだ話していた時の様子が変だった」
大きな変化はしていないはずなのに、バレていた。
だけど、それだけで分かるものだろうか。
「それで昨日、今井さんのあとつけたから」
「は?つけたって……」