願う場所、望む奇跡



「とりあえず座って」



広い会議室にたった2人、隣に座って向き合った。

なんの話しか検討もつかない。



「回りくどいの嫌だから、ストレートに聞いていい?」



何を聞かれるのか分からないけど、とりあえず頷いた。



「今井さん、弟のことが好きなの?」



そう聞かれて、思わず驚いてしまった。

そして、全身が少しずつ震えてきた。



「な……何を言っているの……?」



普通に言っているつもりでも、声が震えているのが分かる。



「こないだ話していた時の様子が変だった」



大きな変化はしていないはずなのに、バレていた。

だけど、それだけで分かるものだろうか。



「それで昨日、今井さんのあとつけたから」


「は?つけたって……」




< 67 / 274 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop